宇多田ヒカル 『KeepTryin`』

 
 PVは、『traveling』『FINALDISTANCE』『SAKURAドロップス』等
 のPVを彷彿させるダンスやシーンがあり、コスプレもあり結構面白い。
 お気に入りは婦人警官。


 3rdアルバムで一応の総括をし、『EXODUS』で曲・詞の実験をした。
 次のアルバムでは新生宇多田が出現すると思う。
 『誰叶』からここ最近の3曲(『ビーマイ』『情熱』『キプトラ』)は、
 『EXODUS』以上に曲・詞が(嬉々として)遊んでいるように感じる。
 音をいろいろ楽しんでいる。
 詞も1stアルバムでは、心情を情景でうたうことが多かったが(そこには
 短い時間の流れも描写される)、
 アルバム『DEEP RIVER』では、心情をストレートに表現し、具体的な物を
 呈示することが多くなった。そのため、1stアルバムでは、詞全体での、
 『DEEP RIVER』では、文節単位での言葉の輝きになった。
 『Deep River』には、寓意はあっても、心情はストレートである。


 『ビーマイ』『情熱』の詞が難解であるのは、情景が浮かんで来ないから。
 複眼の目のように幾重にも分割された物と者と心情が見えるが、時間も、
 場所も推測できない。完成したパズルを知っているのは、作詞者だけ。
 歌は、曲と詞であり、詩ではない。結構今ではこのパズルが面白い。


 早く次のアルバムが聴きたい。
 HIKKIはこれからも音に『KeepTryin`』していくだろう。