1998年の歌姫たちと倉木麻衣

1998年デビューの歌姫として「1998年の宇多田ヒカル」という本がある。
宇多田ヒカル椎名林檎aiko浜崎あゆみを書いた本。
2016年1月出版。音楽出版社の元編集者宇野維正著書。
宇多田ヒカルがデビューした1998年12月9日。その一年後12月9日にデビューしたのが倉木麻衣。宇多田のパクリと言われるのは、ビーイングが敢て二匹目の泥鰌を狙ったという背景があるから。わざわざデビュー前に宇多田がアメリカでCDを出していたので、アメリカで最初にCDを出し、恰も帰国女子風を狙ったのである。最初の三曲は作詞作曲ともかなり力を入れている。作詞は倉木本人となっているがその作詞者が退いてからの作詞の質を見るとかなり違う。
宇多田を知ったのはムービンからでオートマの巷の嵐を横に洋楽ばかり聞いていた。偶然ラジオから流れて来たムービンに、この子凄い、これが噂の宇多田、この子は売れると直感した。アルバムが出たことを知ったのも一週間後くらいだったがすぐ買い求めたことを覚えている。倉木のアルバムも聞いたがやはり最初の三曲が良かった。その頃は宇多田と倉木を交互に聞き比べていた。倉木が不幸なのはパズルを除いていい曲に恵まれていないこと。彼女の声を最初の三曲以上に活かすことが出来ていない。倉木の声は宇多田より透き通っていて清らかなせせらぎの様。宇多田は曲と詞、それに合う声。せせらぎも滝も大海も想像できる。というより、キャロルキングの声と薬師丸ひろ子の声が好きなだけだが。その両方が宇多田から聞こえる。だから、倉木に飽きて宇多田を聞くようになったのだろう。
SONGS、ライナーノーツの宇多田、椎名と宇多田が共演のMV、昨夜のaikoの番組、先日のMステフェス、コナンED、リオオリンピック閉会式、いろいろ見ていて前述の浜崎、倉木に作曲の能力があれば、或いは個性にあった作曲者がいれば、個性に見合う自己演出が可能だったろうと残念に思った。倉木のコナンEDについ溜息をついてしまう。浜崎はそのまま己の道を進めばよいと思うがテレビでは一曲で終えて欲しい。