オリコンランキング、嵐の通常盤追加オマケ

宇多田ヒカルのアルバムが発売されたので何年かぶりにオリコンチャートを見た。シングルもアルバムも本当に売れない。オリコンはCDだけでランキングをしている為、上位に来るのはAKBやジャニーズだけ。今週松任谷由実がアルバムを出して１位になったが、６万枚という。先週の嵐は６０余万枚。配信をしない嵐だからの枚数であろう。
先代のオリコン社長はチャートへの熱意があったが、今の社長になってからエイベックスのコンサート会場売り（主催者側の売上報告）を認めたり、AKBの握手券売りを認めたり、内容が異なっていてもアルバム名が同じなら合算可能としたり、兎も角、オマケつき（DVD等）を合算してからオリコンの存在意義は無くなっていった。その上、配信を一切考慮しないランキングに誰も流行をそこに見いだせる訳がなかった。ジャパンビルボードの方が流行曲を知ることが出来る。
宇多田ヒカルのオリジナルアルバムはいつも一種だけである。今回の６thアルバムもいつものように一種であった。それを称賛される現状に「当たり前なのに」何故称賛するのか、という思いがあった。だが、一種売りが称賛されるのも仕方ないなと思わせたのが嵐の売り方。嵐が初回限定と通常の二種発売をし、通常のみにユーザーコード保管するよう発売後ファンに通達があった。ファンならDVD付の初回限定盤を予約購入する。通常盤は購入しないのが殆どであろう。今回の通達に戸惑いと怒りとそれでも通常盤を更に購入しなければならないという使命感を抱くファン達の思いがSNSを見ていて伝わってきた。アルバム曲に初回も通常も大差ないのに両方買わせようとするジャニーズのえげつないこと。従来なら数日で売り上げが激減する嵐のアルバムなのに今回は粘っている。
今年のCD売り上げNO１を目指しているからだろう。三代目JSBが６０余万枚で今年の暫定１位だからそれ以上の売り上げを嵐はする必要があった。発売当日の売り上げ枚数結果（３５万枚）に不安を覚えた嵐陣営は、後出しで通常盤にオマケ（内容は未詳）を付けると発表し枚数稼ぎをしたのである。嵐は売れるから二種売りしても初回限定の一枚で済むから汚い売り方はしていない、と胸を張っていたファンに同情する。
配信をしないジャニーズを切り捨てられずCDだけをランキングするオリコン。
アルバム１位の売り上げが１万枚に達しないデイリーの形骸化したランキングをいつまでオリコンは続けるのか。そのランキングにファンを失望させてもしがみ付いているジャニーズ、オマケのためにCD購入する人達、配信すら無料になっていく世界情勢の中で日本の音楽の行方はどうなるのか。
CDが売れない理由の一つが日本のCD価格。アルバム２０００円が相当であろう。シングルは５００円。
もう一つの理由はJASRAC。原因はわかっているのにオマケで誤魔化してきた日本。
年末に発売されるSMAPの解散記念盤が久しぶりのアルバムミリオンになるだろう。昨年出したミスチルやサザンのオリジナルアルバムが５０余万枚、ドリカムベスト７０余万枚の現状では多分最後のCDミリオンかもしれない。
DVD付を非難しない。CD＋DVD、CD、選択肢が多くなることは問題ではない。内容曲を数曲違えて複数形態で売り出したり、それらすべてを購入した者だけに特典を付けたり、握手投票券のためのオマケCDなど、購入者に本当に音楽を届けたいのか疑問を持つ売り方が問題なのだ。音楽を売りながら音楽を卑しめているように感じるからだ。嵐だけではなく暫定１位の三代目の売り方もえげつないと聞く。売れないから売るための企業努力と言う者もいるが固定ファンを貪る餓鬼にしか思えない。かつてCCCDを音が良くないからと拒否した宇多田、少なくとも彼女は音楽を愛していると言える。宇多田ヒカルのアルバムは５０万枚を突破した。ジャパンビルボードによると配信を含めると８０万枚という。